キックが遠くに飛ばない…
ゴールキックが浮かなくて、すぐに相手に取られる…
小学生・ジュニア年代のサッカーで、そんな悩みを抱えているコーチ・大人は少なくありません。
まず大前提として、ほとんど低学年の子供の蹴るボールは飛ばないし浮きません。
まだまだ体が成長中で、力もないからです。
しかし中には「ボールを遠くに蹴れる子」がいて、日本の小学生・ジュニア年代のサッカーではコーチ・大人に重宝される傾向があります。
主にゴールキックを遠くに飛ばせるからですね
サッカー・フットサル歴25年以上、コーチ歴8年の身からすると、この「キックが飛ぶ子を重宝する大人」が、日本サッカー界をダメにしている原因の一つではないかと考えています。
- かけ引きが学べない
- ゴールキックはなるべく遠くに飛ばすのが目的ではない
- 遠くに飛ばすキック以外も大切
など
がそう考える理由です。
今回は「キックが飛ぶ子を重宝する大人」が日本サッカーをダメにしている説と題して、仮説を紹介・説明します。
この記事をみると、
キックが遠くに飛ばなくてもいいか
と心が楽になり、いっそう親子でサッカーを楽しむことができます。
「キックが飛ぶ子」が小学生・ジュニア年代のサッカーでは重宝される
前述しましたが、日本の小学生・少年団では「キックを飛ぶ子が重宝される」傾向があります。
一番の理由は、ゴールキックを遠くに飛ばせるからです。
ボールが浮かずに、すぐ相手に取られて失点するのを防げますからね
また、
- コーナーキック
- フリーキック
- キックオフ後のキック
など
遠くに山なりのボールを蹴り、飛ばせる子は何かとコーチに指名されてひたすらボールを遠くに飛ばすのです。
「キックを飛ばす子」もコーチや大人たちに重宝され、うれしくなるでしょう。
「キックが飛ぶ子を重宝する大人」が日本サッカー界をダメにしている
主にゴールキックですが、私は「キックが飛ぶ子を重宝する大人」が日本サッカーをダメにしていると考えています。
相手にすぐに取られて失点するのを嫌がるあまり、相手とのかけ引きを避け続けるからです。
ゴールキックのかけ引きを学べない
ゴールキックは、
- 遠くに飛ばすとき
- 近くでつなぐとき
があり、どちらを選ぶかは相手とのかけ引きで決まります。
何でもかんでも遠くに飛ばしていたら、失点の可能性は低くなるかも知れませんが、サッカーで大切な「相手とのかけ引き」を学べません。
またゴールキックでボールを遠くに飛ばす時でも、味方をめがけて蹴るのであってボール遠くに飛ばすのが目的ではありません。
遠くに飛ばすキック以外も大切
小学生・ジュニア年代のサッカーでは、「遠くに飛ばすキック」意外もすごく大切です。
例えばシュートを打つのであれば、「遠くに飛ばすキック」よりも「低くて早いボール」の方がキーパーに嫌がられます。
キーパーは、低めのシュートのセービング・処理が難しいからです。
また、
- 近くの味方へのパス
- 裏を狙うロングパス
- サイドチェンジのキック
など
「遠くに飛ばすキック」以外のキックを使う場面もたくさんあり、どれも大切で練習する必要があります。
しかし「キックが飛ぶ子を重宝する大人」はただ負けるのが嫌なだけで、「遠くに飛ばすキック」ばかり練習します。
つまり自分のことだけ考えていて、子供の未来は考えていないのです。
「そんな大人にサッカーを教わっていたらどうなるか」は想像できるでしょう
大人になったら嫌でもボールは浮くようになる
少し話をかえますが、小学生・ジュニア年代でボールが上手く蹴れなくても高学年や大人に近づくにつれ、
- 成長して筋力がつく
- 体が大きくなり反動がつく
- 蹴り方が上手くなる
- 5号球(中学生以降)は蹴りやすくなる
など
があるので、ボールは嫌でも浮くようになります。
また日本の小学生・ジュニア年代ではほとんどが土のグランドですが、人工芝や天然芝のグランドではさらにボールが浮きやすくなります。
低学年であせって練習しなくても、サッカーを正しく続けていれば誰でも遠くにボールをキックできるようになるのです。
それなのに低学年から「ボールを浮かすキック」ばかり練習していると、体が成長したときに嫌でも浮くボールがさらに浮いてしまいます。
ゴールキックならまだしも、シュートを浮かし過ぎてしまってはゴールできる可能性が低くなります。
「遠くに飛ばすキック」を練習しても良いですが、他の種類のキックも練習しましょう!
もちろんボールを遠くに飛ばした方が良い時もある
これまで「遠くに飛ばすキック」だけではダメと書いてきましたが、
- 相手が前からプレスをかけてきている
- つなぐ余裕がなくクリアしたい
- 相手の裏に大きなスペースがある
など
ボールを遠くに飛ばした方が良い時もあります。
- どんなボールを蹴るか
- どこにボールを蹴るか
はゴールキックと同様に「相手とのかけ引き」で決まります。
「かけ引き」の結果、ボールを遠くに蹴った方が良い時はロングキックを選択します。
ロングキックが蹴れる場合、1本のパスで状況を一変できるので常にまわりをみて、選択肢の一つとして考えていれば良いサッカー選手になれます。
「ボールを遠くに飛ばす」以外のキックも練習しよう
「ボールを遠くに飛ばすキック」はサッカーで使う場面はよくあるので練習した方が良いですが、他のキックも練習する必要があります。
特に「サッカーは多く点を取った方が勝つゲーム」なので、シュートで使うキックはたくさん練習した方が良いでしょう。
また、近くの味方につなげるパスで使うインサイドキックも大事です。
低学年のうちは、ごく一部の子を除いてボールは遠くに飛びませんが、練習していれば体の成長と共に蹴れるようになるので焦る必要はないです。
サッカーは足でボールを扱うので「遠くに飛ばすキック」だけではなく、いろんなキックを練習しましょう!
まとめ あせらずいろんなボールが蹴れるようになろう
今回は「キックが飛ぶ子を重宝する大人」が日本サッカーをダメにしている説と題して、仮説を紹介・説明しました。
日本の小学生・ジュニア年代のサッカーでは、「キックが飛ぶ子」がコーチや大人たちに重宝されます。
主にゴールキックで相手にすぐボールを取られてピンチになるからです。
ただ何でもかんでも「ボールを遠くに飛ばす」のは、
- サッカーのかけ引きを学べない
- 他のキックも大事
など
の理由でおすすめできません。
しかし多くのスポ少では「キックが飛ぶ子を重宝する大人」がたくさん存在するため、日本サッカー界をダメにしていると私は考えています。
- 子供にサッカーを通じて幸せになってもらいたい
- サッカーをずっと楽しんでほしい
と願うのであれば、「ボールを遠くに飛ばすキック」だけではなく、他のキックの種類も練習する必要があります。
日本サッカー界をダメにしている「キックが飛ぶ子を重宝する大人」に惑わされないようにしましょう!
日本のサッカー界には「ダメダメな大人」がとてもたくさん存在します。
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お子さんを守りサッカーを楽しんで幸せになれるように、親御さんが支えていけることを心から願っています。
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