子供にドリブルが上手くなってもらいたい!
ドリブル塾ってどうなのかな?
と考えたことのある親御さんもいるのではないでしょうか。
少し前のドリブル塾ブームから落ち着いた感はありますが、今でもたくさんのドリブル塾系のスクールがあります。
ぶっちゃけどうなの?
と気になりますよね。
私自身、フットサル競技歴25年以上・コーチ歴10年で、ドリ○ルデザ○ナーさんと公式戦を何度も戦ったこともある身から書きます
「ドリブル塾は高確率で危ないギャンブル」に近いという考えです。
子供にも得意・不得意はあり、小さい頃から一つの型にはめようとするのは危険です。
ただサッカーに正解はないので、近い将来ドリブル塾出身のプロが出てくる可能性もあります。
今回は「ドリブル塾ってどうなの?をサッカーコーチがガチで考えてみた」と称して、説明していきます。
「子供のサッカーの悩み相談」始めましたので、興味がある方はこちらを覗いてみてください。
ジュニアサッカー・少年団の親の悩みの相談に乗ります|コンサル
信念があってサッカーを伝えるというのは素晴らしいと思う
まずは良くある「ドルブル派 vs ポゼンション派」のような対決が生まれがちな中で、自分の信念を持ってサッカーの楽しさを伝えているコーチ達は素晴らしいし、リスペクトします。
「サッカーでドリブルは大事」
間違えのない事実だし、信念を持ち子供たちにサッカーの楽しさを伝えていくのに反対意見はありません。
ドリブル塾しとけば人が集まるんだろ!えへへ…
と考えるコーチは論外ですが。
前述したようにサッカーに正解はないので、いろんな切り口でサッカーの楽しさを子供たちに伝えていくのは全然ありだと考えています。
R.W.Sドリブル塾は意味ない?
私のブログで本記事はすごく読まれているのですが、「R.W.Sドリブル塾意味ない」で検索される方がとても多いです。
大前提として特定の団体を非難する意図は、まったくないです。
R.W.Sドリブル塾さんは知っているけど、くわしく見たことがないので意味があるかどうかがわかりません。
参加してみて子供のためになると感じるなら通えば良いし、子供に合わないのあればやめておけば良いだけです。
「子供のためになるかどうか」で考えましょう。
個人的にドリブル塾はギャンブルに近いと考えている
私の意見ですが、ドリブル塾はギャンブルに近いと考えています。
サッカーコーチとして小学生・ジュニア年代のサッカー界を見てきてとても危なく感じるのが、
ドリブル上手い = サッカー上手い
と勘違いしている人が非常に多いことです。
確かにドリブルで抜ける選手は魅力的だし、特に小学生・ジュニア年代だとごぼう抜きも珍しくありません。
本人や、見ている大人・味方は爽快なことでしょう
ただプロの試合で、相手をごぼう抜きできる日本人選手はどれくらいいますか?
ワールドクラスの試合でそんなことができる選手はどれくらいいるでしょう?
確かにドリブルで突き抜ける選手もいますが、ほんの一部だしプロの選手はみんなドリブラーな訳ではありません。
得意・不得意を自分やまわりの大人たちと共有して努力し、プロにまでなったはずです。
メッシやクリロナはドリブルだけが上手いのでしょうか?
全ての技術が優れていて、ドリブラーという訳ではありません。
ドリブルはサッカーの中のほんの一部
ドリブルが上手いことは、サッカーにおいて非常に優れた武器です。
ただ上のレベルになればなるほど、「ドリブルが上手ければ大丈夫」な場面は減っていきます。
ドリブルは選択肢のうちの1つでしかない
ドリブルで抜かなくてもパスの方が早い時もあるし、そもそもシュートを打ってゴールできるチャンスがあればドリブルは必要がありません。
ボールを持った時にすることは大きく3つに分けられ、
- シュート(最優先)
- ドリブル
- パス
です。
ドリブルは3つの選択肢の中の一つにしか過ぎません。
自分の得意・不得意を理解しないまま、見ていて魅力的という理由でドリブルだけを切り取って練習するのはかなり危ういと私は思います。
他の技術も合わせて練習しなければ、バランスの悪い選手になる可能性が高いです。
ボールを持っていない時も大事ですしね!
ディフェンスのレベルも上がってくる
小学生・ジュニア年代のディフェンスなら自分のドリブルが通用していても、ジュニアユース・(中学生)・ユース(高校生)とディフェンスのレベルの飛躍的に伸びていきます。
1対1のディフェンスは上手くなるし、効き足や得意な方向へのドリブルを切るのが当たり前です。
誘い込まれて2枚目で狙われることもあるし、ファールで止めてくるディフェンスもいます。
「自分のドリブル」が通用しなくなる場面は必ずきます。
「自分のドリブル」が通用しなくなった時に、大多数のドリブル塾系の選手は危うい状況になると思っています。
ドリブル塾に行ってるんだろうなという子供と一緒にフットサルをして感じたこと
以前子供と行った親子フットサルで明らかに「ドリブル塾に行ってるんだろな」という小学校高学年の子がいました。
足元の技術は確かに上手くまわりの大人から「うわーすごい!」「うまいねー!」とたくさんほめられてまんざらでもなさそうな様子。
私はドリブル塾系のその子を見て、
- 一人でサッカーしてる感じだな
- 相手に対するリスペクトがないな
と強く違和感がありました。
フットサル・サッカーはチームスポーツです。
自分一人が楽しいドリブルばかりのプレーは、ただの自己中でしかありません。
そして相手のまた抜きを狙いまくったり、小ばかにするようなプレーも多々見られました。
私はパラグアイ戦で中島を削った南米選手のような気持ちになったのを覚えています。
「中島翔哉が挑発リフティングの制裁を受け
個サルだし子供相手なので、削りませんでしたけど…
またドリブル塾系のその子は、小学校低学年の子にボールをうばわれる場面もいくつかありました。
個人的にはそれが将来の姿かと感じます。
まとめ ドリブル塾は基本的に危ないと思っておいた方が良い
いまだにたくさんある「ドリブル塾ってどうなの?」をサッカーコーチの私が考えて紹介しました。
サッカーに正解はないし、自分の信念を持ち子供たちにサッカーの楽しさを伝えているドリブル塾のコーチ達にはリスペクトしかありません。
そのうちドリブル塾出身のドリブラーが出てくる可能性もあります。
しかし個人的には、ドリブル塾はギャンブルに近いと考えています。
子供には得意・不得意はあり、一つの型にはめようとするのは危険です。
サッカーにおいてはボールを持っている時・いない時にやらなければならないことが無限にある中で、ドリブルだけを切り取って練習をするのが危ないとも思っています。
また「ドリブルが上手い = サッカーが上手い」と勘違いしている大人もいまだに少なくありません。
- サッカーの楽しさ
- 相手へのリスペクト
- ドリブルはサッカーのほんの一部
と教えてくれるドリブル塾ならありだし、実際にそういうドリブル塾もあります。
ただ大多数が危ないように見えますね…
「ドリブルが上手くなってほしいからドリブル塾に行かせよう」と安易に考えずに、良く子供と話し合って、検討するドリブル塾を良くみて判断しましょう。
ドリブル塾に限らずディフェンスやシュートなど、サッカーの場面の一つを切り取って教える人が多くなってきている印象です。
このような現象は日本だけだと思うのですが、なぜなのでしょうか。
サッカーの楽しさや大切なことを伝えられる大人が、少しでも増えれば良いなと心から願っています。
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