自チームの子供がボールを持ったら、
広い方!広い方!
サイドへ!サイドへ!
と指示するコーチってちょいちょい見かけませんか?
私は6年以上サッカーコーチをしていますが、1回も言ったことがありません。
間違いではないけれど、順番が違うと考えているからです
ボールを持ったら一番始めに目指すのは相手のゴールです。
相手のゴールにシュートできない・近づけないのを確認してから、スペースのあるサイドを使います。
ボールを持ったら無条件に「広い方・サイド」に運ぶのは、結果的に同じになっても、全然違います。
いろんな人とフットサルをしますが、「ボールを持ったら広い方おじさん」の被害者でそのまま大人になっている人は多い印象です。
今回は「ボールを持ったら広い方おじさん(勝手に命名)」が日本のサッカーを弱いくしているかも知れないという仮説を説明・紹介します。
このブログでは他にも、日本のサッカーを弱くしている『ダメなコーチ・大人』をまとめているので、ダメなコーチ・大人と関わらないようにしましょう
日本サッカーが弱い理由は「こんなオジサンたち」が原因|まとめ
ボール持ったら「広い方!」と子供に声をかけるおじさんがめっちゃいる
私の子どもが小1~小4まで所属したスポ少のコーチがまさに、「ボールを持ったら広い方おじさん」でした。
「広い方!広い方!」と連呼していて、おそらく「おはよう」や「お疲れさま」より言ってたのではないでしょうか。
また遠征に出ると、他のチームにも「ボールを持ったら広い方おじさん」がちょいちょいいるのに気が付きました…
わざわざ狭いスペースにドリブルで突っ込んでいく子供が多いのが原因かも知れません。
「ボールを持ったら広い方おじさん」 vs 「わざわざ狭いところに突っ込んでいく子」との戦いが毎週末繰り広げられています。
「ボールを持ったら広い方おじさん」が日本のサッカーを弱くしている説
「ボールを持ったら広い方おじさん」の弊害として、ボールを持った時にゴールを見ない子供を生み出し、そのまま大人になったであろう人がすごく多いのを感じます。
私はフットサル選手のキーパーとして、さまざまなチームに所属し、日本代表・プロとも対戦したことがあります。
そこで、カテゴリーが下になればなるほどゴールを見ている選手が少なくなるなと強く感じるのです。
キーパーなのでゴールを見ているか、シュートを意識しているかは一目でわかります
「今シュート打たれたら嫌だ」という瞬間にシュートを打たずに、「今シュートを打たれても大丈夫」というタイミングでシュートを打つ人はすごく多いです。
仮説ですが、一番大事な小学生・ジュニア年代で「ボールを持ったら広い方おじさん」の被害に合った人が少なからずいると私は考えています。
「ボールを持ったら広い方」はあってるけれど順番が違う
前述しましたが、「ボールを広い方」に(パスかドリブルで)運ぶ場面はたくさんあります。
ただボールを持った時に最優先するのは、
- シュートしてゴールできるか
- ゴールができないなら、ゴールに近づけるか
です。
ボールを持った時、無条件に目指すのは広い方ではありません。
たとえ狭くてもそのままゴールを狙えたり、中央突破ができる可能性があるからです。
ボールを持った時の優先順位は以前の記事で紹介しました。
サイドのスペースを最大限生かすために、あえて狭いところで耐えた方が良い場合もあります。
「ボールを持ったら広い方おじさん」に従い、無条件にサイドのスペースに逃げるのは思考停止の指示待ち人間を生むので要注意です…
広い方を目指す前にがんばった方が良い例
「ボールを持ったら広い方」へ逃がす前に、狭いとこでがんばった方が良い例を1つだけ紹介します。
無限にありますが一例だけ!
この場面、自チーム(赤⑧)がボールを持っていますが、「ボールを持ったら広い方おじさん」からすると、危ないので早く味方(赤⑨)にパスを出せという意味で「広い方!広い方!」と言うでしょう。
「ボールを持ったら広い方おじさん」に従うとこんな感じです。
一方、自チーム(赤の⑧)が少しだけがんばり、斜め前にボールを運ぶと、相手チーム(青の⑦)が釣られて出てきます。
わかりやすく表してますが、小学生であれば釣られる場合がほとんどではないでしょうか
少しだけがんばってボールを運んだ結果、自チーム(赤の⑨)の大チャンスが生まれます。
早めにボールを広い方に逃がした時と比べて、大きく違うのが一目瞭然です。
すべてが上手くいく訳ではありませんが、無条件に広い方にボールを逃がさなかったからこそ生まれるチャンスがあるのがわかったと思います。
このような簡単なことを伝えるのにもサッカー作戦ボードは1つ持っていた方が良いです!
「ボールを持ったら広い方おじさん」に出会ってしまったら
「ボールを持ったら広い方おじさん」がコーチ・親ににいる場合はどうしたら良いでしょうか。
学ぶ姿勢があれば「まずはシュート、できなければゴールに近づくのが大事」と伝えるのもありです。
経験則では「ボールを持ったら広い方おじさん」は学ばない人が多い印象なので、学ばないのであれば放っておきましょう。
「それが正しい」と思っているので、議論したところで根本的な解決にはならないパターンが多いように思います
私の子供の場合、前のチームのコーチがバリバリの「ボールを持ったら広い方おじさん」でしたが、ボールを持ったら、
- シュートしてゴールできるか
- ゴールができないなら、ゴールに近づけるか
を先に見て、無理そうなら広い方へボールをパスかドリブルで運ぶように伝えていました。
難しいところではありますが、サッカーの優先順位はしっかり伝えた方が良いと考えたからです。
コーチとは違うことは伝えますが、そのコーチを否定しないような言い方は意識しました
まとめ 「ボールを持ったら広い方おじさん」の被害にあわないようにしよう
「ボールを持ったら広い方おじさん」が日本のサッカーを弱くしているかも知れないという仮説を説明・紹介しました。
「わざわざ狭いところに突っ込んでいく子」が原因で、「ボールを持ったら広い方おじさん」が生まれたと推測しますが、両方ともボールを持った時に「ゴールを見ていない」ので性質は同じです。
ボールを持った時に意識するのは、
- シュートしてゴールできるか
- ゴールができないなら、ゴールに近づけるか
で無理そうなら広い方へ(パスかドリブルで)ボールを運びます。
無条件に「ボールを持ったら広い方」を言われ過ぎて、シュートできるのにゴールすら見ていない子供がたくさんいるし、そのまま大人になった人も多いのではないかと思っています。
手垢にまみれた言葉ですが、サッカーに正解はありません。
ただ先人たちの経験から「こうした方が良い場合が多い」というセオリーはあります。
セオリーを知ったうえで、それを破るのと、もともとのセオリーが違うのとでは雲泥の差です
日々進化していくサッカーを大人も学びながら、子供たちに伝えていって欲しいなと心から願っています。
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