【ゴールキックが飛ばない!】が日本サッカーを衰退させている説

ゴールキックが飛ばなくて、いつも相手にボールを取られる…

ゴールキックってどうやったら上手く蹴れるんだろう…

そう悩む子供やコーチ・大人は多いのではないでしょうか。

私もゴールキックが蹴れないキーパーだったので、気持ちがすごくわかります!

まず低学年であれば筋力が足りないので、ゴールキックが飛ばないのは当たり前です。

その飛ばないゴールキックを鬼の首を取るかのように狙う「前から!前から!おじさん」まで出てきて大騒ぎです。

私は、「ゴールキックが飛ばない!」が日本サッカーを衰退させていると仮説を立てています。

ゴールキック・ロングキックを飛ばすようにしか練習をしない子供が多くなった結果、シュートが下手になるからです。

個人的にはゴールキックは大きく分けて、

  • 相手が前から来ているならロングキック
  • 相手が前から来ていないのならショートパス

で良いと考えています。

ルールが変更になり、味方はペナルティエリアにいても良くなったので、

「全部ショートパスでも良いのでは?」

とすら思います。

「かけ引き」をせずに、何でもかんでも前に蹴るのは嫌いですね…

記事の後半には「私が見ただけで、ゴールキックが蹴れるようになったYouTube動画」を紹介します。

今回は、「ゴールキックが飛ばない!」が日本サッカーを衰退させている説、と題して説明・紹介します。

子どもが「ゴールキックが飛ばない…」のは当たり前

子どもが「ゴールキックが飛ばない…」のは当たり前

ゴールキックが飛ばない…

と悩んでいる子供やコーチ・大人は多いとは思いますが、ゴールキックは飛ばなくて当たり前です。

  • 子供なので筋力が足りない
  • 蹴り方を教えられる大人が少ない
  • 蹴り方が独特だし、人による
  • 土のグラウンドだと余計に難しい

など

が原因です。

今まで計4つのチームでコーチをしましたが、ゴールキックを上手く蹴れる子はめったに見かけません。

遠くに蹴れたとしても、力ずくで蹴ってるだけですね

飛ばす場合の良いゴールキックは、バックスピンで味方が取りやすいボールです。

特に低学年~4年生くらいまでは「ゴールキックを相手に奪われての失点」が多く、手前でつなぐのをあきらめ、

もっと遠くにボールを飛ばせよ!

となっているコーチ大人が多い印象です。

失敗しても良いので手前からつなぐチームも中にはありますが、少数派でしょう。

「前から!前から!」おじさん VS 「とりあえず前、蹴っちゃえよ」おじさん

試合で、

  • 相手のゴールキックが飛ばない
  • 相手が手前からパスをつないでくる

と見るや、「前から!前から!」おじさんが表れます。

「前から!前から!」おじさんって?

という方はこちら。

「前から!前から!」おじさんが日本サッカーを衰退せている説

「前から!前から!」おじさんの率いるチームは前後半、死に物狂いで相手のゴールキックを奪い得点しようとします。

この圧に負けたり失点するのが怖かったりして、

とりあえず前、蹴っちゃえよ

というおじさんまで現れて、毎週毎週「ゴールキックを飛ばす練習」を子供にさせるのです。

サッカー先進国の「ゴールキックが飛ばない世代」では、ハーフラインまで相手が引く国もあります。

子供に「とりあえず前に蹴らせる」のは、サッカーで一番大切な『かけ引き』の放棄に他なりません。

「ゴールキックが飛ばない!」が日本サッカーを衰退させている説

「ゴールキックが飛ばない!」が日本少年サッカーを衰退させている

「ゴールキックが飛ばない」と(無駄に)悩むコーチ・大人が多いので、

  • 練習時間をけずってでも、ロングキックの練習をさせる
  • 自陣からのビルドアップをしない
  • (無駄に)子供にストレスを与える
  • グラウンダーのキック技術が向上しない
  • 「かけ引き」を学べない

などなどなど

日本サッカーを衰退させるたくさんの弊害が生まれます。

ゴールキックを飛ばそうとする大人が多すぎる

前述しましたが、サッカーで一番大切な「かけ引き」が学べなくなるのは大問題です。

誰も問題視していませんが、低学年から「遠くにノーバンで蹴れる子が神」的な考え方が大問題だと感じています。

ゴールキックをすぐに相手にとられないように遠くに飛ばしたがる

ゴールキック・ロングキックの練習をやたらする

結果、ノーバンで遠くに蹴れる子供が重宝される

という流れが、小学生・ジュニア年代のサッカー界には、少なからず存在します。

ちょっと待てと

「ボールを遠くに蹴れる技術」は、確かに大事です。

ただ相手のゴールを奪うキック・シュートの技術の方がはるかに重要です。

この、

  • ボールを遠くに飛ばすキック
  • 相手のゴールを奪うキック

の違いを理解して、練習からやっているコーチ・チームはほぼ見たことがありません。

ゴールキックとシュートでキックの種類が全く違う

私はGKなので嫌なシュートの蹴り方・コースを

もう嫌だ!

というほど理解しています。

「ボールを遠くに飛ばすキック」と「相手のゴールを奪うキック」は明確に分けて、子供たちは練習するべきだと強く感じます。

GKとしては、子供が蹴られる

「(遠くに飛ばすための)山なりのシュート」

よりも、

「グラウンダーの低いシュート」

の方が圧倒的に嫌だからです。

反応するのに時間がかかりますからね

その違いも理解せずに、

遠くに飛ばせ!

と毎週なるべく遠くに飛ばすキック練習をたくさんする大人・コーチは、間違いなく日本サッカーを衰退させていると、私は感じています。

ゴールキックの蹴り方・コツ

恥ずかしい話ですが、私はつい最近までゴールキックが遠くに飛ばせないGKでした。

今はフットサルのキーパーなので、ゴールキックを蹴る必要がなかったんですよ…

コーチ・ゴールキーパーコーチとして子供にゴールキックを教えるために、YouTubeの1本の動画を見ただけで、上手くゴールキックを遠くに飛ばせるようになりました。

その動画がこちら。

体の使い方や力の働き方など、的を得ているので参考になります。

ただ成長中でまだ筋力の弱い子供に、そのまま当てはまるかと言えば疑問は残りますね…

ただ、参考にしておいた方が良いです。

人それぞれ体格・骨や筋肉のつき方は違うので、最終的には「自分の理想的な蹴り方」を自分で見つけるしかないというのが私の考え方です。

ゴールキックにはジュニアサッカーの「チームの器」が表れる

ゴールキックにはジュニアサッカーの「チームの器」が表れる

ゴールキックには「そのチームの器」が垣間見えます。

  • 全部遠くに飛ばすゴールキック
  • 全部ショートパスでつなごうとするゴールキック
  • 味方や相手によって変えるゴールキック

あなたやあなたの子供がいるチームはどれでしょうか?

「全部遠くに飛ばすゴールキック」をしているチームは、正直だいぶ怪しいです。

「かけ引き」をしてないですからね

ルール改正により「ゴールキック時、味方はペナルティエリア内にいても良い」ことになったので、「ゴールキック→ショートパス」からビルドアップするのはありだし、育成年代は積極的に取り入れてほしいです。

私が一番好きなのは、
「味方や相手によって使い分ける」ゴールキックです。

ショートパスからのビルドアップを勧めていますが、相手が「前から!前から!おじさん率いるゴリゴリのチームだった場合。

味方に超体の強い大迫勇也選手のようなトップの選手がいて、「ロングキックをしても、あそこで起点ができるな」と狙うのであれば、遠くに飛ばすのもありです。

ゴールキックで相手とのかけ引きをしているか

が最も大事だと、私は強く感じます。

まとめ 小学生・ジュニア年代は楽しくサッカーをしよう

今回は、「ゴールキックが飛ばない!」が日本サッカーを衰退させている説、と題して説明・紹介しました。

大前提として子供がゴールキックを飛ばせないのは当たり前です。

筋力が足りなし蹴り方を教えられる人も少ないし、土のグラウンドですからね…

しかしゴールキックが飛ばないことで、

異常に前からプレスしてくるチームが現れ、「とりあえず前蹴っちゃえ」というチームが現れる『不のループ』が生まれます。

そして蹴り方もまともに教えられない大人が毎週子供に、

ボールをもっと遠くに飛ばせ!

とロングキックを練習させ子供のためにならないどころか、ストレスすら与えているのが日本サッカーの現状です。

ゴールキック一つなのにそれを取りまく大人のせいで、日本サッカーを衰退させていると私は思います。

サッカーで一番大切な「かけ引き」すら教えていないからです。

あなたのチームや、あなたの子供がいるチームはどうでしょう。

かけ引きをしていますか?

「かけ引きの大切さ」を子供に伝えていますか?

ゴールキックだけでもチームの判断が分かれるのが面白いですね!

私は日本サッカー界のすそ野を支えるコーチとして、誇りを持って、

  • 子供たちに大人になってもサッカーが楽しめるように
  • 子供たちにサッカーを大好きになってもらうように

日々、踏ん張っています。

あなたの環境はどうですか?

育成年代であれば、良いサッカーの環境を用意するのは親・大人の役割です。

私自身も迷いながらがんばるし、「もうサッカーいいや…」とサッカーを辞めてしまう人がいないよう、心から願っています。

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