「球際!球際!」おじさんが日本サッカーを衰退させている説

球際!球際!

と試合中に連呼しているおじさんって結構いませんか?

『「球際!球際!」おじさん』と勝手に命名します。

試合中、なんなら練習中から、

球際!球際!

逃げるな!

戦え!

もっと戦え!

と、とてもうるさい方が多いように感じます。

「戦え」って何なんですかね…子供だってがんばってるのに…

「球際!球際!」おじさんは、その名の通り、「サッカーは球際が命」だと考えています。

間違いでもないですが、サッカーは「球際の局面」だけではありません。

今回は「球際!球際!」おじさんが日本サッカー界を衰退させている説と題して、「球際!球際!」おじさんの功罪を説明・紹介します。

このブログでは他にも、日本のサッカーを弱くしている『ダメなコーチ・大人』をまとめているので、ダメなコーチ・大人と関わらないようにしましょう。

日本サッカーが弱い理由は「こんなオジサンたち」が原因|まとめ

小学生・ジュニア年代にいる「球際!球際!」おじさん

小学生・ジュニア年代に少なからずいる、「球際!球際」おじさん。

他に言うことないの?というくらい連呼する人いますよね…

おそらく前世が古代ギリシアのスパルタ兵かなにかなのでしょう。

(出典:300)

サッカーにおいて「球際」も大事ですが、「球際だけ」ではありません。

  • それすら、わかっていない
  • 他に言うことが思い浮かばない
  • 練習中に伝えきれていない
  • そもそも、コーチングとしておかしい

などなど

「球際!」と連呼する、「球際!球際!」おじさんは、自ら「それほどでもない、ダサいコーチ」だと、わざわざ証明してくれています。

サッカーには球際の局面だけではない

サッカーで「球際」は大事ですが、たくさんある大事なことの一つにしか過ぎません。

長くなるのでオフェンス・でディフェンスに分けて、なるべく簡単に説明します!

オフェンス

オフェンスの場面、「球際」関連で考えられるのは下記です。

  • かけ引きで裏を狙う
  • 相手の力を利用する
  • 相手の力を受け流す
  • コンビネーションで崩す

などなど

元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は体が小さく当たりの弱い羽生直剛元選手へ、

体が弱いなら、体が当たらないところで勝負しなさい

と伝えたのは有名な話です。

またロシアワールドカップ出場を決定づけたオーストラリア戦での井手口選手のゴールシーンは相手の力を腕で上手く使ってボールを運んでいます。

動画の1分21秒からの場面で寄せてくる相手を腕で押し返すとともに、自分のドリブルの力に変え、シュートを打てるスペース確保しています。

少し小さくて見づらいですが、めちゃくちゃうまいです!

一例ですが、「球際」だけではない場面だし、「相手の球際の力」を利用しながら自分に活かす、すごく良い例です。

ディフェンス

次にディフェンス面での「球際」関連で考えられるシーン。

  • あえて距離を取って抜かれないようにする
  • 振り向きざまを狙う
  • 1回相手に体に当てて、押し返してところで引く
  • 相手を誘い、2枚目で取る

などなど

オフェンス・ディフェンス共に「球際」をあえて避ける・相手の「球際」を利用する局面もたくさんあります。

中でも吉田麻也選手へのインタービューで、

海外の体の相手に勝つためにどうしたら良いのですか?

という質問に、

1回体を強く当てると相手が押し返してくるので、そこで引くと相手のバランスが崩れるのでそこを狙ったりしています

と答えていて、

そんなかけ引きもあるのか!なるほど!

と驚きました。

オフェンスもディフェンスも「球際」は大事ですが、それ以外のかけ引きはもっと大事です。

「球際!球際!」おじさんが日本のサッカーを衰退させている

サッカーにおいて「球際」だけではないと説明しました。

球際!球際!

逃げるな!

戦え!

戦え!

と叫び続ける「球際!球際!」おじさんがコーチだとどんな被害があるでしょうか。

  • オフェンス・ディフェンス共にかけ引きができなくなる
  • ディフェンスの基礎がぬけ落ちる
  • ファールをするようになる
  • 球際!球際マンになる

などなど

が考えられます。

簡単に説明します。

オフェンス・ディフェンス共にかけ引きができなくなる

オフェンス・ディフェンス共に「球際」だけではないのは前述しました。

「球際!球際!」おじさんのもとで「球際だけ」を重視するチームでは、サッカーを続ける上でいずれ「しわ寄せ」がきます。

サッカーにおいて一番大切な『かけ引き』がないからです。

ディフェンスの基礎がぬけ落ちる

「球際だけ」に注力してしまうと、ディフェンスの基礎がぬけ落ちます。

ディフェンスの「かけ引き」にも通じますが、

  • そもそもマークがずれてしまう
  • 味方のカバーリングが意識できない
  • 数的不利の場面での守り方がわからない

など

の弊害が生まれるでしょう。

上記すべての局面で「球際だけ」を意識したら、一瞬で詰みます。

数的不利は最終的に球際が大事ですけど

「棚際!球際!」おじさんがコーチだと、ディフェンスの基礎がぬけ落ちてしまいます。

ファールをするようになる

「球際!球際!」おじさんは、相手に抜かれるのを異常に嫌います。

ただ上記のように、

  • かけ引きも知らない
  • ディフェンスの基礎を知らない

中で、相手に抜かれようものなら

球際が甘いんだよ!もっと戦え!

と言われる訳です。

子供からしたら、抜かれないためにするのは、

どんな手を使ってでも相手を止めないと怒られる

とファールをすることです。

小学生・ジュニア年代では審判が下手な場合が多いので

バレなきゃいいか!

となってしまいます。

小学生・ジュニア年代では審判のレベルが低い場合が多いので通用しますが、中学生→高校生と審判のレベルも上がり、いつか「ファールで相手を止める」のが余裕でバレます。

昨今ではVARが増えてきてますしね!

小さいころから「ファールでしか相手を止められない子供」に、明るい未来はありません。

球際!球際マンになる

「球際!球際!」おじさんに教えられた子供たちは、「球際!球際!」おじさんの卵になります。

その子たちが、もし良い大人・コーチに恵まれずに大人になったとしたら…

お父さん・お母さんコーチになった時、自分の子やチームの子供たちに

球際!球際!

と連呼する可能性は高いのではないでしょうか。

「球際!球際!」おじさんの最悪の功罪だと私は思います。

もし気づいたら、その『不のループ』を断ち切ってもらいたいと願っています。

サッカーにおいて「球際」はすごく大事

ここまで、「球際!球際!」おじさんを否定してきましたが、サッカーにおいて『球際』はすごく大事です。

体が弱いからと言って「球際」の局面を避けようとしても、必ず「球際」は避けられないからです。

「球際!球際!」おじさんの言っていることは一理あるし、試合中に選手たちに言う気持ちはわかります

私自身も助っ人参加したチームで「強くはないのに、異常に球際に強いチーム」がありました。

相手の方が上手いのに「球際」が強いからこそ、勝った経験もたくさんあります。

それくらいサッカーにおいて「球際」は大事です。

ただ今まで説明したように、『球際だけではない』のも、またサッカーです。

「球際!球際!」おじさんのチームにいてしまった時の対処法

もし、「球際!球際!」おじさんのチームにいる子供や親御さんはどうしたら良いでしょうか。

一番は移籍をおすすめします。

私は自分の子が入ったチームに「球際!球際!」おじさんがいた経験があります。

「任せておけないな」と感じたので、うちは私自身がコーチをすることで、「サッカーのかけ引き・面白さ」を伝えられたつもりです

「球際!球際!」おじさんがいるがいるチームにもし、いるとしたら

  • 良いチームに移籍する
  • 親が守る
  • だれかに相談する

など

が必要です。

「球際!球際!」おじさんは、コーチとして自ら「それほどでもないコーチ」と証明してくれているのですから。

「球際!球際!」おじさんに指摘したところで、まず変わらないので変に衝突しないようにしましょう。

本人はそれが正しいと思っているので衝突するだけ無駄です

まとめ 「球際!球際!」おじさんの被害にあわないようにしよう

今回は「球際!球際!」おじさんが日本サッカー界を衰退させている説と題して、「球際!球際!」おじさんの功罪を説明・紹介しました。

小学生・ジュニア年代のサッカー界には、「球際!球際!」おじさんが残念ながら存在します。

そして自ら自分が「それほどでもないコーチ」であるのを証明し続けています。

サッカーにおいて「球際」は大事な場面の一つですが、その他の場面も同じように大事です。

オフェンス・ディフェンス共に球際や球際を避けた「かけ引き」があります。

その「かけ引き」を伝えるのがコーチの役目だし、「球際だけ」を伝える「球際!球際!」おじさんが日本サッカーを衰退させていると私は思います。

今のチームで「球際!球際!」おじさんの被害にあっているなら移籍か、他の大人が守ってあげてくださいね

今回のテーマはTwitterでお付き合いのある方からいただきました。

ありがとうございます。

自分だけで考えていると思い浮かばない時が多々あるので助かります!

これからも学びを続け、「日本のサッカーを衰退させている」おじさんを探して書きますが、そんな人がいなくなるのが一番良いです。

日本の子供たちが安心して楽しく・正しくサッカーができるような環境を目指して、学び続けたいと思います。

コメント

  1. […] 「球際!球際!」おじさんが日本サッカーを衰退させている説 […]

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