サッカー・フットサルでのキーパーの技術、「ブロッキング」を知っていますか?
簡単に説明するとキーパーの身体全体を一枚の壁のようにし、相手のシュートを防ぐ技術です。
フットサル選手歴20年・小学生サッカーコーチ歴6年以上にですが、小学生・ジュニア年代の試合でブロッキングをしているキーパーは、ほとんど見たことがありません。
理由はわかりませんが、数年前からプロでも使いだした技術なので、
たぶん知らないのだと思っています。
キーパーコーチ自体少ないですしね…
私は「ブロッキングは基礎中の基礎」のフットサルキーパーを20年以上してきて、サッカーでブロッキングを使うキーパー(確かオーストラリア代表のGK)を見た時、
フットサルのやり方じゃん!
とやたら興奮したのを覚えています。
まだ知らない小学生キーパーが多いので、ブロッキングを知り練習すれば試合でも活躍できるし、
ライバルに差をつけるチャンスです。
今回はまだまだ知られていない、キーパーの新しい基本「ブロッキング」を説明・紹介します。
数年前から「ブロッキング」をするキーパーが世界で増えてきた
前述した通りブロッキングとは、キーパーの身体全体を一枚の大きな壁として相手のシュートを防ぐ技術です。
シュートに反応して止めるのではなく体のどこかに当てるやり方で、近距離のシュートに対して行います。
今ではサッカー先進国のキーパーでもブロッキングは当たり前になりました。
私の大好きなベルギー代表・レアル守護神、クルトワ先生のブロッキングです!
(出典:産経新聞)
サッカーでブロッキングが確立する前は、キーパーの身体を横に倒しながら向かっていくやり方が主流でした。
(出典:SOCCERKING)
どこの誰がやり始めたかは定かではありませんが、フットサルでは基礎中の基礎だったブロッキングをサッカーに応用したと考えられます。
相手のシュートに対して、ブロッキングの方が消せるコースが多いことに気づいたのでしょう!
今ではサッカーの新基本になっているブロッキングをマスターしよう
ここ数年ですがブロッキングがキーパーの新しい基本技術になりました。
コーチとして小学生・ジュニア年代のキーパーを見ていますが、知っていそうなキーパーはほとんどいません。
今のうちにブロッキングを練習してマスターし、レベルアップしましょう。
キーパーコーチ自体少ない上に、昔のままのキーパー像を伝えている大人が多いのが原因だと考えていますが、
ライバルに差をつける絶好のチャンスです。
ブロッキングってどうすれば良いんだ…
という方向けになるべくわかりやすく説明します。
ブロッキングからの応用技術も説明しますね!
正しいブロッキングの仕方・タイミング
正しいブロッキングの仕方やタイミングを説明します。
ブロッキングの正しい姿勢
ブロッキングの正しい基本姿勢ですが、いろいろ探した結果この方が一番きれいでした。
(出典:中山英樹オフィシャルサイト)
画像のように足を九の字にし、両手を下に広げます。
基本はニア側を膝を立てている方、ファー側を膝を落としている方にします。
慣れてきたら意識すれば良いですが、始めのうちは上のシュートは捨てて良いです
下のシュートを全力で体のどこかに当てるイメージで壁(ブロック)をつくりましょう。
やりがちなミス
ブロッキングをする上でやりがちなミスを紹介します。
(出典:サカイク)
画像の子に罪はないです…小学生でブロッキング意識してる時点ですごいので!
膝は浮かす
ブロッキング体勢って超きついので、つい膝を地面に付きがちなのですが浮かせた方が良いです。
相手に対しての表面積が多ければ多いほど、シュートが体のどこかに当たる可能性が高くなるので、膝を付いたらもったいないです。
つま先で踏んばって、膝を浮かせましょう。
股はボール1個がギリギリ通らないくらいが理想
相手に対しての身体の壁の表面性を増やしたいのは上記と同じ理由で、股を閉じ過ぎていてはもったいないです。
ボール1個分ギリギリ通らないくらいの股の開きが理想です。
胸を張る
画像だと身体が前に傾いてしまい、シュートに対しての身体の表面積がせまくなってしまいます。
極端にいえばボール見なくても良いぐらいなので、胸を張り体全体でなるべく広い壁をつくりましょう。
折りたたむ足は後ろに下がらず横に真っすぐ
ブロッキングの形をつくるとだいたいの子が、折りたたむ足の先が後ろに行きがちです。
画像の子は横に真っすぐで完璧なので、見本にしてください!
逆にお手本の画像の型の方が少し後ろに下がっていますね…
正しいブロッキングのタイミング
ブロッキングの基本姿勢は説明しましたが、「いつブロッキングをすれば良いのか?」を説明します。
ブロッキングをするのは相手と超至近距離で「シュートを打たれても反応が難しい」場合です。
ブロッキングのタイミングは相手選手がシュートを打つ瞬間ですが、
- 身体の大きさ・小ささ
- シュートストップの反応速度
- 飛び出しの得意・不得意
など
により変わります。
こればかりは成功・失敗体験を積み重ねて学んでいくしかありません
- あぁ、スライディングでクリアできたな…
- ブロッキングよりシュートに反応した方が良かったな…
- ブロッキングはできたけど距離が遠くてシュートコースが消せなかったな…
などなど
成功や失敗体験を重ねてレベルアップしてください。
ブロッキングを覚えた時点で、他のキーパーより上のレベルにいるのだから焦らなくて大丈夫ですよ!
また相手選手が、
- シュートを打たずに抜きにくる
- ループシュートを狙ってくる
場合もあるので、慣れてきたらブロックを作った後に対応し直せるようになれれば最強です。
相手選手もいるゲームの中ではブロックの形はどうしても崩れますが、これも成功と失敗を繰り返して積み重ねていきましょう!
こんな場合はブロッキングしない方が良い&ブロッキングも万能ではない
ブロッキングですべてのシュートを止められる訳ではないので、こんな時はブロッキングをしない方が良い時もあります。
ブロッキングしない方が良い時
ブロッキングしない方が良い時は、
- 相手選手との距離がまだ遠い
- スライディングなら先にボールにさわれる
- 相手選手が速いスピードで横にドリブルしている
など
です。
一つずつ簡単に説明します。
相手選手との距離がまだ遠い
ボールを持っている相手選手との距離が遠いのにブロッキングをしてしまうと、十分にシュートコースを消せません。
ギリギリまで待ち、相手がシュートを打つ瞬間にブロックをつくりましょう。
相手がシュートを打つ瞬間に、自分が止まってブロッキングができていないと股を抜けたり、シュートコースが空いたりします。
基本は「シュートに反応するのは難しい距離」です。
キーパーの身体の大きさ・反応の速さにもよるので、自分で最適な距離を見つけてください!
相手との距離で構え方が変わるのを説明・紹介した記事がこちら。
スライディングなら先にボールにさわれる
ブロッキングをする相手選手との距離でも、スライディングで先にさわれる場合も多々あります。
相手にシュートされる前に先にさわった方が良い場合がほとんどです。
こぼれ球を決められるパターンもありますが仕方ないです…
ブロッキングを覚えても、ブロッキングだけにこだわらないようにしましょう。
相手選手が速いスピードで横にドリブルしている
ブロッキングの最大の弱点として、一度ブロックをつくってしまうと横への移動が遅くなります。
相手選手が速いスピードで横方向にドリブルをしていたら、最後の最後までついていき身体を横に倒して身体全体でスライディングした方が良い時もあります。
(出典:毎日新聞)
この辺もやはり成功と失敗を積み重ねて練習していきましょう!
ブロッキングからさらに上の技術も覚えよう
今まで小学生サッカーキーパーの新基本「ブロッキング」の基礎を紹介しましたが、応用編もあります。
- ブロックを作りながら相手に向かう
- ブロックを作りながら横に飛ぶ
ブロックを作りながら相手に向かう
身体が英語の「X」になっていることからXブロックと呼ばれますが、呼び方はどうでも良いです。
やはりクルトワ先生がきれいなので見てみましょう!
(引用:ゲキサカ)
相手のシュートに反応するのも難しいし、ブロッキングをするのにも少し遠いという超ピンチの時の最終必殺技として、ブロックをつくったまま相手選手に向かっていく技術です。
手はブロッキングとほぼ同じですが、足は大きく広げながら低い状態をキープし股の下を通らないようにしています。
ブロックを作りながら横に飛ぶ
Xブロックをつくりながら横に飛ぶやり方もあります。
超至近距離で反応が難しい上に、味方がいて前に飛び出せない時や1対1で対応していた相手選手が味方にパスをしてずらされた時などに使います。
クルトワ先生の画像がなかったので、フットサル選手から!
(出典:フットサル ゴレイロ バジャ フェンス futsal goalkeeper)
身体でブロックをつくって「どこかに当たってくれ!」というのは同じですが、横へのXブロックも使えるとミラクルセーブを起こせる可能性が高くなります。
以上の2つは応用編なので慣れてきたら練習すれば良いですが、下半身が柔らかくないとマジで怪我するので要注意です!
膝から滑るの技術ゆえに、土のグランドや人工芝で練習しているキーパーの子は擦り傷がやばいし、膝を痛めるので、膝当てがおすすめです。
まとめ 小学生サッカーキーパーの新基本「ブロッキング」をマスターしてスーパーセーブを連発しよう
小学生・ジュニア年代サッカーから必須のキーパーの新基本「ブロッキング」について説明・紹介しました。
ブロッキングとは、相手のシュートに反応するのが難しいくらいの近距離で行うプレーです。
キーパーの身体全体を一枚の壁のようにして、シュートに対しての表面積をなるべく増やし身体のどこかに当てます。
意外と難しいので少しずつ練習していきましょう!
ブロッキングをしない方が良い時もあるので、要注意です。
ブロッキングに慣れたら「Xブロック」と呼ばれる技術も少しずつ練習しましょう。
小学生・ジュニア年代のキーパーでブロッキングができる子は、私の地域ではほとんどいません。(自チームのキーパーには教えています)
プロが11人制のサッカーでも使うくらいなので、
ゴールの小さい8人制・5人制であれば、ブロッキングの威力は増します。
特に5人制では効果絶大です!
ほとんどできる子がいないのはチャンスでもあるので、今からブロッキングを練習しマスターしましょう。
ブロッキングができるようになればスーパーセーブ連発間違いなしです。
怪我防止のために膝当て・肘当てはおすすめです。
日本のキーパーのレベルはサッカー先進国と比べるとまだまだ劣ります。
その原因の一つが、
- 小学生・ジュニア年代のキーパーコーチが不足している
- 昔のままのキーパー像を伝えている
のだと考えています。
ブロッキングだけではありませんが、このブログでは最新のキーパー像を伝えていますので他の記事もみて学んでくれたらうれしいです。
キーパーのカテゴリーに記事がありますので、参考にして頂ければ幸いです!
お子様がスーパーセーブ連発で、チームの守護神となるのを心から願っています。
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