小学生年代ってポジションは固定しない方が良いのかな?
逆に早いうちから固定した方が良いのかな?
試合の采配をするコーチであれば悩んだ方もいるのではないでしょうか。
○○はトップね
と子供に伝えると微妙そうな顔をされたり、
えー!
と言われたり。
いや、こっちもめっちゃ考えた末にお願いしとんねん
と言いたくもなりますが、本当に嫌そうならやめておいた方が良い場合もあります。
いろんな意見があると思いますが、私は早い時期からポジションを固定するのは危ないと考えています。
私がポジションを固定しないのは、ずっとサッカーを楽しんでほしいからです。
今回は「小学生サッカーでポジション固定はどうなのか」の一意見として私の考えを説明・紹介します。
小学生・ジュニア年代での早い時期からのポジション固定は危ないと考えている
前述の通り、私は小学生・ジュニア年代の早い時期からのポジション固定は危ないと考えています。
じゃあいつから固定すれば良いの?
という疑問があると思いますが、私は卒団前年の11月まで固定しませんでした。(8人制)
ポジションを固定したといっても全員が複数のポジションをできるし、3分の1ほどの選手はどこでもできます。
私の子どももキーパー以外でこでもできます!
理想は全員が全ポジションできることですが、さすがに時間が足りませんでした…
子供たち一人一人に得意・不得意があるので、得意なポジションをやりつつ他のポジションに慣れさせていくのが良いと考えています。
ずっと同じポジションでは、そのポジションで通用しなかった時に苦労します。
スペシャリストを目指すのも良いとは思いますが、プロのコーチでもないお父さんコーチがそこまでするのも危ないです。
ポジションをある程度固定するには、「どこでもプレーできる」・「複数ポジションができる」ようになってからが良いと考えています。
簡単な動き方やスペース管理を説明するのには作戦ボードが本当に便利だし、今でも使っています!
ポジションを固定しないことの最大のメリット
ポジションを固定しないことの最大のメリットは、
8人制から11人制にうまく移行できるから
だと仮説を立てています。
5人制・8人制・11人制でも、チームとしてやることは、
- 相手のゴールを奪いにいく
- 自分たちのゴールを守る
の2つです。
ポジションは落ち着いた時にバランス良くなるように決めるだけで、どこのポジションでも何人制でもチームとしてやることは変わりません。
- 自分のポジション
- 相手や味方の位置
- 走る速さや体力
- 自分・相手の技術
- コートの広さ・スペースの有無
など
を踏まえた上で、「チームのために今の自分に何ができるのか」を考えるとプレーは限られてきます。
小学生・ジュニア年代では難しく考える必要はありません。
ただこの、「チームのために今の自分に何ができるのか」という感覚をいろんなポジションで身につければ、「何人制でもどこにいてもプレーできるようになる」と私は考えています。
もちろん慣れ・不慣れ、得意・不得意はありますよ!
もっといえば、これから先どんなチームへ行っても、プレーできるようになると思っています。
その他のメリット
ポジションを固定しない一番のメリットを書きましたが、その他のメリットとして、
- 選手交代がしやすい
- 試合中にポジションチェンジで修正できる
- アクシデントがあった時に崩れない
- 意外な才能が見つかる時がある
など
があげられます。
選手交代・試合中の修正がしやすい
強豪チームならまだしも、街クラブのチームであれば、ゲーム中の采配で「どこかを優先するとどこかが足りなくなる」場合が多々あります。
とりあえず試してダメならポジションチェンジで修正が可能になるので、采配や子供たちのプレーの幅が広がります。
あとはコーチの采配次第…
アクシデントに崩れない・意外な才能が見つかる時がある
また意外な才能が見つかることもあります。
私がコーチをしているチームで、頼りにしているキャプテンのディフェンスの選手が怪我でしばらくチームを離れることになりました。
そこで急きょディフェンスを試した選手が、驚くほど急成長して見事にカバーしてくれました。
その子は前チームでトップだったそうです!
バチバチの公式戦でもキャプテンが出血で治療をするためにベンチに下がった時に、ディフェンスにコンバートした子が活躍し、見事に無失点で乗り切れました。
またその試合ではトップ下で信頼を寄せている選手も負傷退場して、別の子がトップ下に入り最後までチームとして崩れませんでした。
もちろんデメリットもたくさんある
ここまで早い時期からのポジション固定しないメリットを書きましたが、デメリットもあります。
- 慣れるまでゲーム中のバランスがおかしくなる
- 全員が複数ポジションをできるまで時間がかかる
- 反対するコーチ・親が出てくる
- 采配するコーチが大変
- 始めのうちは結果が出ない
など
一番のデメリットは「始めのうちは結果が出ない」です。
練習中も試合中もコーチは大変で、
ポジション固定した方が楽だし手っ取り早く勝てるな…
と思う人も出てくるのではないでしょうか。
そこまで考えずにずっと固定する人もいますけど…
思いつくデメリットはほとんど目先のものです。
小学生・ジュニア年代のサッカーは、小6で終わりなわけではなく中学生以降もつづいきます。
中学生でサッカーを続けない子でも、高校生や大人になって「またサッカーやろうかな」と思う機会もあるでしょう。
そんな時にどんな環境でも、困らず・楽しくプレーするための土台を伝えていくのが私たち大人の役割なのではないでしょうか。
目先のデメリットに惑わされて、「早いうちからずっとポジションを固定するのはどうだろう」と私は思います。
早いうちからポジションを固定すれば、
- 子供の才能をつぶす恐れがある
- 8人制から11人制に上手く移行できない可能性がある
- 環境の変化によってプレーが上手くいかなくなる
など
が起こる可能性が高くなると考えているからです。
まとめ ポジションを固定する前に「どこでもプレーできる選手」を目指そう
「小学生サッカーでポジション固定はどうなのか」の一意見としてサッカーコーチ・一人の親として私の考えを説明・紹介しました。
小学生・ジュニア年代では早いうちからのポジションは固定せず、理想はどこのポジションでもできるようになるか、複数のポジションをできるようにするのが良いと考えています。
いろいろと理由はありますが、
- 8人制から11人制への移行をスムーズにするため
- いくつになっても・どんな環境でもサッカーを楽しめるため
の2つが最大のメリットだと考えているからです。
早いうちからポジションを固定するのは危険だと考えています。
プレーの幅が出ないし、環境が変わった時に1つのポジションしかやったことがなければ困る可能性が高いからです。
一つのポジションを極める道もありますが、プロコーチではない街クラブのコーチがやるにはやはり危ないと思います。
ここまで私の考えを書きましたが、サッカーに正解がないのと同じように育成にも正解はありません
大きな方向性を決めつつ、いつでもどこでもサッカーが楽しめるように伝えていくのが小学生・ジュニア年代サッカーの大人の役目ではないでしょうか。
目先の結果にとらわれず、長い目で子供を育てていける大人が一人でも増えてくれた良いなと心から願っています。
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