小学生だとヘディングって練習して良いの?
ヘディングを禁止している国もあるって聞いたけど…
ヘディングについて疑問を持たれる方は、さすがです。
子供のために良く学ぼうとしている証拠です。
ジュニア年代のヘディングは脳への影響の恐れがあると、各国でいわれるようになってきました。
小学生・ジュニア年代の大人・コーチであれば、「自分なりの答え」を持っていないとダメだと私は感じます
ヘディングの脳への影響も、サッカーも明確な『答え』がないからです。
あなたはどう、お考えですか?
コーチに任せっきりでは、子供を守れない可能性があります。
今回は、「小学生・ジュニア年代でヘディングは禁止?」というテーマで、各国の方針や日本の方針、私の考え方を説明・紹介します。
育成年代のサッカーでヘディングを禁止・制限する流れがある
小学生・ジュニア年代のサッカーでは、
- 年代により、ヘディングは禁止
- 年代により、ヘディングを制限する
- 制限なし(対策なし)
- 対策を検討中
など
の国が存在します。
ググればいくらでも出てきますが、参考までにこちらをどうぞ。
(出典:THE ANSWER)
小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク
(出典:サカイク)
つい最近、日本で有名なサッカースクールで「ヘッドギアを子供につけさせる」と決めたところもありますが、
ヘッドギアが脳への衝撃を重くする
との研究結果もあって、
どうしたら良いんだ…
となっているのが現状です。
そんな中でも、ヘディングを禁止・制限する流れが出てきています。
サッカー先進国でのヘディング禁止・制限の例
アメリカが一番早かった記憶がありますが、「サッカーの母国イングランド」でもヘディングに関する新たなガイドラインが発表されています。
(出典:超ワールドサッカー)
- U-7~U-11 ヘディングの練習は禁止
- U-12 優先度は低く、月1で5回まで
- U-13 優先度は低く、週1で5回まで
- U-14 ~U16 優先度は低く、週1で10回まで
- U-18 試合で行うのを考慮して、なるべく減らす
練習もせずに上手くなるの?
とツッコみたくなる制限ですが、イングランドサッカー協会がガチで発表しているガイドラインです。
サッカーにおいて、ヘディングはすごく大事です。
こんなんで上手くなるわけないやん!
とは思いますが、小学生・ジュニア年代で7年以上計4チームのコーチをしてきた身からすると、
ヘディングの練習、めっちゃするぞ!
なんで逃げるんだ!ヘディングしろよ!
というコーチ・大人は異常なほど多いです。
「ヘッドしろよ!」おじさんが多い、育成年代
前述しましたが、小学生・ジュニア年代では
「ヘッドしろよ!」おじさんが以上に多いです。
- 力任せに蹴られたゴールキック
- 遠くに飛ばすためだけに蹴られたパントキック
- 「相手のミス待ち」で放り込まれるコーナーキック
- なんの意図もない相手のロングキック
などに対して、少しでも逃げようものなら
ヘッドしろよ!逃げるな!
と子供に言っているのが『「ヘッドしろよ!」おじさん』です。←勝手に命名
めっちゃたくさんいませんか?
子供の脳への影響を考えている人は少ないと感じます。
間違いなく、ただ勝ちたいからでしょう
ヘディングによる子供の脳への影響も考えずに、「ヘッドしろよ!」おじさんがうようよいるのが日本サッカー界の現状です。
日本サッカー界でのヘディング禁止・制限が初めて発表された
最近、日本サッカー協会から「幼少期~中学生」を対象のヘディング習得のためのガイドラインを発表されました。
- 幼少期
- 小学1~2年生
- 小学3~4年生
- 小学5~6年生
- 中学生
に分けて方針や練習方法が書かれています。
詳しくはこちら。
JFAが「正しく恐れる」ヘディングガイド
ラインを策定! 幼児期〜中学生が対象 (出典:ゲキサカ)
日本サッカー協会にしては珍しくいいんじゃん?
と感じました。
欧米は「疑わしいなら禁止・制限」ですが、日本独特の「良くわかってないなら調べながら、とりあえずなんとくなくやれば?」的な流れです。
ドライに完全に決め切らない「なんとなく」の日本の良さ(悪さ)が、ヘディングに関しては珍しく良い方向に向かっている気が私はします。
もちろん、この指針をまったく参考にしないなら論外ですよ!
個人的なヘディングへの考え方
個人的には今回発表された日本サッカー協会の指針に、(超珍しく)おおむね賛成です。
ヘディング自体より、接触プレーが一番危ない
私がサッカーコーチC級ラインセンスを取りに行ったときに、Jクラブのトレーナーさんがヘディングの危険性について言っていたのは、
- 頭同士がぶつかる
- 相手のひじや手が当たるの
- バランスを崩し、着地できない
など
です。
「ヘディングだけでは、問題ないと考えている」とも、自分の考えを教えてくれました。
まだ解明されていない点が多いので、すべて信じるわけではありませんが、自分の考え方の参考になっています。
ヘディングが怖いのは「人間本来の本能」
大きく力任せに蹴られたボールを「怖い」と感じてヘディングしないのは、人間の大切な本能だと私は考えています。
そんなん知るか!逃げずにヘディングしろよ!
というのは大人の論理です。
成長の差もあるし実力の差がある小学生・ジュニア年代の子供たちが「怖い」と思うのなら、「逃げた方が良い」という本能なのではないでしょうか。
無理やりヘディングをさせる子供のストレスは考える意味もないことですか?
将棋の駒のように子供を動かして満足なのでしょうか。
サッカーは「本能と戦うスポーツ」だと私は感じます。
ただ、本能と戦うのは『自分』であって、大人から強制されるものではありません。
私の子供のヘディング事情
私の子供は小学生の時、ほとんどヘディングをしないで逃げていました。
何度イライラしたことか…
イライラしながらも、
「自分が怖くて逃げたら、誰かにしわ寄せがいくんだからね」
とはずっと伝えて、「ヘディングしろ」とは言いませんでした。
小5の時は、「ヘディング命」のコーチが采配していたので自主練で夜にヘディング練習したこともあったな…
小6になり「ヘディングしろ」とは言わなくても、
- 試合中にヘディングする
- できなくてもヘディングを狙う
場面が少しずつ増えていきました。
最後まで「大人が理想とするようなヘディング」はできなかったけれど、
ヘッドしろよ!
と言わなくても少しずつ自分からヘディングする場面が増えたし、「勝ちたい」と自分が思うゲームこそヘディングにチャレンジしていました。
ジュニアユースになった今は、まだわかりませんがヘディング練習は見たことがないし聞いたこともありません。
また進捗があれば報告します!
おすすめのサッカー・ヘディング練習
サッカー先進国や日本で「ヘディングの禁止・制限」の流れがあります。
ふとしたきっかけで小6~中学生がヘディング練習をしているJ下部の練習メニューを見かけ、
あ、これはいいな!
と感じたヘディング練習メニューを紹介します。
グリッドは狭めの方が良くて、人数は何人でも構いません。
青の選手が鬼です!
グリッド内の赤の選手は、手でパスを回しながら最後は、鬼に最後はヘディングで当てるのを目指すゲーム・練習です。
パス or ヘディングで鬼以外のプレーヤーも結構悩みます。
鬼以外の選手は、ボール持っていてもいなくてもグリッド内は自由に移動できます。
だいたい最初はみんな動かないので、コーチが上手く伝えてください!
私は鬼にボールを当てたら、「ヘディングで鬼に当てた選手」が次の鬼を指名するようにしました。
すごく盛り上がりますよ!
- ヘディングによる頭への負担が少ない
- 自分の意志でヘディングできる
- 練習メニュー自体が楽しい
など
マジでおすすめな「ヘディング練習メニュー」です。
もちろん、やり過ぎはだめですよ!
まとめ 小学生・ジュニア年代のヘディングはやり過ぎないようにしよう
今回は、「小学生・ジュニア年代でヘディングは禁止?」というテーマで、各国の方針や日本の方針、私の考え方を説明・紹介しました。
各国サッカー界では、「育成年代のヘディング規制」が次第に進んできています。
南米は聞いたことないですが…
欧米では年代により、ヘディングの規制・禁止が提唱される流れの中、日本では『「ヘッドしろよ!」おじさん』があふれかえり、
逃げんな!怖がるな!ヘッドしろよ!
というおじさんがたくさんいます。
ハッキリいって害ですね…
最近、日本サッカー協会でも「幼少期~中学生」を対象のヘディング習得のためのガイドラインが発表されました。
おそらく欧米をモデルに、日本でも検討を重ねて現段階での最適解を出したのでしょう。
JFAは嫌いですが、珍しく良い感じな気がしています。
JFAが「正しく恐れる」ヘディングガイド
ラインを策定! 幼児期〜中学生が対象 (出典:ゲキサカ)
日本サッカー界のガイドラインにもありますが、ヘディングを「正しく恐れる」のがすごく大事です。
個人的に子供が怖がっているならヘディングはしなくても良いと考えています。
- 人間本来の本能
- 脳への影響
- ヘディングを強制されるストレス
など
が子供にあるからです。
ただ小学生・ジュニア年代ではまだまだヘディングが上手くできる選手が多くないので、ヘディングができた方が有利です。
子供に強制させるのではなく自主的に「ヘディングしなきゃ!」という気持ちになってもらう方にコーチ・親としてがんばろうと思います
どのチームに行っても「ヘッドしろよ!」おじさんはいます。
まだ解明されてないところも多いですが、まずはヘディングに対しての最新の情報を得て「正しく恐れる」のが一番のではないでしょうか。
知らない・学ばないのはサッカーコーチとしては最悪です。
サッカーをすることで子供の将来に悪影響が出ないように、守るのが親の役目だし、そんな子供が一人でもいなくなるよう心から願っています。
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