スポ少や街クラブにいると過保護・過干渉な親御さんっていませんか?
私は3つのスポ少・街クラブでコーチをしましたが、どこのチームに行っても過保護・過干渉な親御さんはいました…
おそらくお子さんのチームにもいる方が多いのではないでしょうか。
場合によっては、
- チームの方針に口をだす
- 他の親・コーチともめる
なんてことも起こり得ます。
すぐれたコーチのどの本を読んでも、どの記事を見ても、
過保護・過干渉の親の子どもはダメになる
という類の内容が書かれています。
- なぜ過保護・過干渉の親が減らないのか
- なぜ過保護・過干渉な親がダメなのか
- 対応策はあるのか
など
今回はスポ少・街クラブにだいたいいる「過保護・過干渉な親」について書いていきます。
どこのスポ少・街クラブにチームに行っても過保護・過干渉な親はいる
今までコーチとして3つのスポ少・街クラブにいましたが、どこのチームに大なり小なり過保護・過干渉な親はいます。
完全に経験則ですが、
- 割と上の年代の親
- 女子選手の親に多い
- 練習の合間・試合の合間の度に自分の子に近寄る
- 練習中・試合中も自分の子に何か言ってる
など
が特徴です。
私も一人の親なので、自分の子のプレーが気になったり心配になったりする気持ちは痛いほどわかります…
誰だって親であれば自分の子が一番です。
- その気持ちが抑えきれない
- 子供の将来を考えられない
- それが正しいと思い込んでいる
- そもそもそんなに考えていない
のが、過保護・過干渉な親なのではないでしょうか。
サッカーに限らず親の過保護・過干渉は子供がダメになる
小学生・ジュニア年代でサッカーで必ずいる過保護・過干渉な親ですが、
- 子供が自分で何も考えなくなる
- 些細なことも自分だけでできない
- 指示待ち人間になる
- 何かあればすぐにコーチに言ってくる
- コミュニケーションが苦手
など
の弊害があると警笛を鳴らされています。
なんでもかんでも親が先回りしてやってしまうので、何かあった時に自分の力で考えて解決する力が育たず指示待ち人間になってしまいます。
「それ自分でできるのにな」という場面でもすぐに、「コーチ!コーチ!」と言ってくるし、コミュニケーションが苦手な子が多いです。
これではサッカーに限らず、将来親の目から離れる時間が長くなる中学生以降どうなるでしょうか。
そのまま大人になったような指示待ち人間も、今は多いですね…
サッカーは1秒あれば状況ががらりと変わるスポーツで、
自分の目で見て → 自分で判断し → プレーに移さなければなりません。
指示待ち人間では、ボールが来ても何も考えられずにただ前にボールを蹴ってしまったり、なんの意図もないようなプレーをするしかありません。
つまり親の過保護・過干渉はサッカーにも将来にも良いことはありません。
私がみてきた過保護・過干渉な親の例3つ
私が「これはひどいな…」と思った過保護・過干渉な親の例を2つ紹介します。
- 子供の移籍を勝手に決めて、移籍先でトラブルを繰り返す親
- 練習中・試合中、練習・試合の合間に子供から離れられない親
①子供の移籍を勝手に決めて、移籍先でトラブルを繰り返す親
同じような親を2人見たのでまとめて紹介します。
子供が所属するチームが自分の思い通りにいかないと、もめて親の意思で移籍を繰り返す親がいました。
子供が所属するチームを親が勝手に決めてもめた挙句、勝手に移籍するのは論外です。
自分の子どもがかわいそうという気持ちはなく、「子供は自分の所有物」という認識なのだと思われます。
2人とも試合中は自分の子に怒鳴っていて、同じタイプでした…
1人は中学校の進学先を、力がともなっていない状況で超サッカー強豪校の寮生活にしたそうです。
嫌な予感しかしませんね…
②練習中・試合中、練習・試合の合間に子供から離れられない親
このタイプの親も2人いたのでまとめて紹介します。
1人は練習・試合中に厳しい声はかけないのですが、いつでも子供の横や後ろにぴったりいて、少し怖かったです。
練習・試合の合間は必ず自分の子と話していたので、その子は他の子と一切話さず「チームに友達はいない」と言っていたのが印象的でした。
もう1人も同じく練習中・試合中にぴったりと自分の子の近くにいて、ずっと声をかけていました。
怒鳴りまくっていたら注意できるのですが、口調は柔らかめなんんですよね…
その親も練習・試合の合間は必ず自分の子のところまで行き、何か話しかけます。
練習中に上手くいかずに子供が泣いてしまうと、父親には涙を見られたくないらしく必死に隠しているのがなんだかかわいそうでした。
2人とも、いわゆる『ヘリコプターペアレント』でしょう。
(出典:留学くらべーる)
そして少し年代が上の親なので、やっとできた子供がすごくかわいいのだと思います。
気持ちはわかるんですけどね…
過保護・過干渉な親の対処法
過保護・過干渉な親がいた時の対処法はどうしたら良いのでしょうか。
親御さんであれば、少し距離を保った方が良いと思います。
もちろん仲良くなれれば仲良くなっても良いですが、他の親・コーチ・子供の悪口や妬みを言うようなら要注意です。
一方、コーチとしての対処法は難しいですね…
私が代表のチームであれば直接伝えますが、一人のコーチがその家庭の教育方針(?)まで簡単には口は出せません。
過保護・過干渉の親は良かれと思ってがんばっているので、たとえ論破したところでモヤモヤ感が残ります。
私は他の子に影響がないなら、まずは様子を見ます。
- 言い方がきつすぎる
- チームに悪い影響がある
など
目に余る行為が多いようであれば代表に相談したり、コーチ内で共有したりしますが、やんわり伝えるくらいで根本的な解決は難しいです。
やんわり指摘すると、
- 気づいて直していく
- 来なくなる
- 他のチームに移籍する
- 場合によってはもめる
など
経験則で何らかのアクションがあります。
だいたい親か子どもに限界がきてチームをやめるパターンが多い気がします…
とはいえ子供を放っておきすぎるのも成長しない
過保護・過干渉な親はサッカー(だけではないけど)にとって良くないと説明してきました。
しかし「子供を放っておき過ぎるのも良くない」という研究結果があります。
サッカーC級ライセンスの講習を受けた時にインストラクターさんから聞いた話で、子供たちを、
- 見守って育てるグループ
- 厳しく言って育てるグループ
- 放っておいて何もしないグループ
の3つに分け、成長する様子を見た研究がありました。
「見守って育てるグループ」が一番良い成長で、2番目は緩やかな成長で「厳しく言って育てるグループ」、一番成長しなかったのは「放っておいて何もしないグループ」でした。
見守るのは一番良いけど、放っておくよりは過保護・過干渉の親の子供の方が成長するのを表しているともいえるでしょう。
自分の子がかわいくて親ががんばっている分、放っておくよりは子供も成長します
子供と親、どれくらいの距離感が良いのか
過保護・過干渉もダメ、放っておき過ぎるのもダメでは、子供の親の距離感はどのくらいが良いのでしょうか。
池上正さんの考え方がおすすめ
家庭環境やお子さんの年齢にもよるので答えやルールはありませんが、私はサッカーコーチとしても一人の親としても池上正さんを参考にしています。
読めばわかりますが、完全に離れるわけではなく見守るスタンスです。
初めて読んだときは衝撃でしたが、有名な方なので今では参考にしている人が多いですね!
「はじめてのおつかい」の距離感
以前、子育てもサッカーのコーチも「はじめてのおつかい」の距離感が一番良いとの記事を見かけ、「なるほどな!」と感じました。
初めて行く一人でのおつかいは、不安だらけで子供にとっては怖いでしょう。
しばらくいけない子もいますよね…
ただ一度外に出れば、ばれないようにスタッフさんに危険から守られ、お店の人の協力を得て親から頼まれたものを買おうと最大限がんばります。
初めて頼まれたものを買えた後の、表情・足取り・独り言は自信にあふれグングン成長していく姿は見ていて感動です。
場合によっては違うものを買ってきて「もう一回いってくる!」とすぐ2回目のお買い物に行く子供もいますね(笑)
時には親から離れ、最悪な状況が起こる前には大人が守れる状況で見守られている、あの「はじめてのおつかい」の距離感が子供の成長にとって一番良いというのは番組が証明してくれているように感じます。
たくさんのボツがあるとも聞きますけどね…
まとめ サッカーをがんばる子供とは適度な距離で良い関係をつくろう
今回はスポ少・街クラブの「過保護・過干渉の親」について書きました。
サッカーをがんばる我が子に対して、個保護・過干渉な親はどこのチームにもいるのが現状です。
過保護・過干渉な親は、良かれと思って行動しているにも関わらず、子供の自主性をうばい、場合によってはチームに悪影響を及ぼします。
ボランティアで成り立っているスポ少・街クラブでは難しい点も多々ありますが、目に余るようであれば代表やコーチ内で対応が必要な時もあります
我が子との良い距離感は各ご家庭によって違うので、近すぎず遠すぎない関係を探しましょう。
サッカーにも育成にも子育てにも正解はありません。
100点をとるのは不可能なので、自分なりのやり方で「大きく間違えていなければ良いや」くらいの感じで肩の力を抜いてやっていきたいと私は思っています。
私もたまに言い過ぎるので子供に美味しいものを買って謝ることはありますね…
経験則ですが、過保護・過干渉な親と一緒にサッカーをがんばった子でグングン成長していった子を見たことがありません。
一方、サッカーが上手い子は親子で良い距離感を保っている印象です。
親として自分の子にたくさん言いたくなる気持ちは痛いほどわかりますが、子供がのびのびとサッカーを楽しめるように、過保護・過干渉な親が少しでも減れば良いなと心から願っています。
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